転職エージェントに登録すると、最初に案内されるのがキャリア面談です。「面接のように評価されるのでは」「退職理由をどこまで正直に話せばいいのか」と身構えてしまい、日程を先延ばしにしている人も少なくありません。
実は、エージェント面談で聞かれる内容はほぼ決まっています。初回面談の所要時間は60〜90分程度が一般的で、その大半は次の6テーマの確認に充てられるでしょう。質問の意図さえ分かれば、前日に30分ほど準備するだけで十分に対応できます。
この記事でわかること
- エージェント面談で必ず聞かれる6テーマと質問の意図
- 答えにくい質問(退職理由・年収・他社状況)の伝え方と例文
- ITエンジニア・技術職が追加で聞かれやすい質問
- 面談の最後に担当者へ聞いておきたい逆質問
- 前日にやっておく準備チェックリスト
転職エージェントの面談で必ず聞かれる6つのテーマ
キャリアアドバイザーの目的は、あなたを合否で判定することではありません。紹介できる求人を正確に絞り込み、書類や面接で企業に推薦できる材料を集めることです。そのため質問は、次の6テーマに集約されます。
| テーマ | よくある質問 | 担当者が知りたいこと |
|---|---|---|
| 1. 職務経歴 | これまでの仕事内容を教えてください | どの求人の要件に合うか |
| 2. 転職理由 | なぜ転職を考えたのですか | 次の職場で解決したい課題 |
| 3. 希望の業界・職種 | どんな仕事に興味がありますか | 紹介する求人の範囲 |
| 4. 希望条件 | 年収・勤務地・働き方の希望は | 条件の優先順位と下限 |
| 5. 活動状況 | 他社の選考は進んでいますか | スケジュール調整の必要性 |
| 6. 転職時期 | いつまでに入社したいですか | 急ぐ求人を出すかどうか |
この順番どおりに進むとは限りませんが、6テーマのどれかが抜けたまま面談が終わることはほとんどありません。逆に言えば、この6項目をメモにまとめておくだけで、当日の受け答えは格段に楽になります。
職務経歴は「数字」と「役割」で話す
最初に「これまでのご経歴を簡単に教えてください」と聞かれるケースが大半です。ここでは3分程度で、在籍期間・担当業務・役割・成果の順に話すと伝わりやすいでしょう。「営業をしていました」ではなく「法人営業を4年、新規開拓で年間売上約3,200万円を担当していました」のように、数字を1つ入れるだけで担当者が求人を選びやすくなります。
希望条件は「優先順位」をセットで伝える
年収・勤務地・リモート可否・残業時間・業界など、希望をすべて「必須」にすると紹介できる求人が一気に減ってしまいかねません。譲れない条件を3つまでに絞り、残りは「できれば」と区別して伝えるのがコツです。
答えにくい質問への伝え方と例文

面談で多くの人が言葉に詰まるのが、退職理由・年収・他社の状況の3つです。どれも「正直に話したほうが得をする」質問ですが、伝え方には少し工夫がいります。
退職理由がネガティブなとき
エージェントには本音を話して問題ありません。本音を隠すと、同じ不満を抱える職場を紹介されるリスクが高まります。ポイントは、不満のあとに「次はどうしたいか」を必ず続けることです。
- 例文:「月の残業が平均60時間を超えていて、体力的に続けにくいと感じているため、次は残業30時間以内を目安に、腰を据えて専門性を伸ばせる環境を探したいです」
- 例文:「評価基準が曖昧で、成果が年収に反映されにくい点に不満があり、成果と評価の関係が明確な会社で働きたいと考えています」
担当者はこの内容を、企業向けには前向きな表現に整えて推薦状に書いてくれます。面接での言い回しもあわせて相談しておくと効率的です。
現在の年収と希望年収
現年収は、源泉徴収票ベースの額面(賞与・残業代込み)で伝えるのが基本です。手取りや基本給だけで伝えると、企業側との認識がずれ、内定後の年収交渉で不利になることがあります。希望年収は「最低ライン」と「理想」の2つを伝えておくと、担当者が交渉の幅を持てます。
他社エージェントや選考の状況
複数のエージェントを併用している場合も、隠す必要はありません。2〜3社の併用はごく一般的でしょう。ただし、応募済みの企業名は共有しておくことが大切です。同じ企業に別ルートから重複応募すると、企業側に不信感を与えてしまうおそれがあります。
ITエンジニア・技術職が追加で聞かれやすい質問

ITエンジニアやWeb系の技術職では、一般的な6テーマに加えて、技術面の確認に時間が割かれるのが特徴です。IT専門のエージェントほど質問が具体的になる傾向があります。
| 質問 | 準備しておくこと |
|---|---|
| 使用してきた言語・フレームワークは | 経験年数を言語ごとに整理(例:Java 4年、TypeScript 2年) |
| 担当した工程はどこまでか | 要件定義・設計・実装・テスト・運用のどこを担当したか |
| チーム規模と役割は | 何人のチームでリーダー経験はあるか |
| 開発環境・インフラの経験は | AWS・GCP・Docker・CI/CDなどの利用経験 |
| 今後伸ばしたい技術領域は | 上流工程・マネジメント・特定技術の深掘りのどれを目指すか |
| GitHubやポートフォリオはあるか | 公開できる成果物のURL |
SES(システムエンジニアリングサービス)や受託開発の経験者は、案件ごとに「期間・役割・使用技術・成果」をまとめた一覧を用意しておくと話がスムーズです。案件数が多い人ほど、口頭だけでは担当者が全体像をつかみにくいからです。
また、エンジニア職では「自社開発に移りたい」「年収を上げたい」「リモート中心で働きたい」という希望が重なりやすく、条件の優先順位を聞かれる場面が多くなります。どれを最優先にするかを事前に決めておきましょう。
面談の最後に担当者へ聞いておきたい逆質問

面談の終盤には「何かご質問はありますか」と聞かれます。ここは担当者の力量を見極めるチャンスでもあるでしょう。次のような質問をしておくと、その後のやり取りが変わってきます。
- 「私の経歴だと、どのくらいの年収レンジの求人が現実的ですか」:市場価値の目安がわかります
- 「書類選考で懸念されそうな点はどこですか」:弱点を先に補強できます
- 「非公開求人はどのくらいありますか」:紹介の幅を確認できます
- 「連絡は電話・メール・LINEのどれが多いですか」:在職中の連絡ストレスを減らせます
- 「希望条件の中で、緩めると選択肢が広がるものはありますか」:条件の見直しに役立ちます
質問への答えが曖昧だったり、条件を無視した求人ばかり勧められたりする場合は、担当者の変更を申し出るか、別のエージェントを併用するのも1つの方法です。
面談前日にやっておく準備チェックリスト
準備に長い時間をかける必要はありません。前日に次の項目を確認しておけば、面談の内容がぐっと濃くなります。
書類まわり
- 職務経歴のメモ(完成版の職務経歴書でなくても可)
- 現在の年収がわかる資料(源泉徴収票など)
- 気になっている求人や企業のURL
オンライン面談の環境
近年はオンライン面談が主流です。音声が途切れると話の要点が伝わりにくくなるため、マイク付きヘッドセットやWebカメラを用意し、通信環境を事前にテストしておきましょう。服装やマナーが気になる人は、転職エージェント面談の服装・マナーの記事も確認しておくと安心です。
話す内容の整理
- 転職理由と「次に実現したいこと」をセットで1〜2文に
- 譲れない条件を3つまで
- 希望の転職時期(例:2027年4月入社)
転職エージェント面談のよくある質問
Q1. 面談で落とされることはありますか?
面談そのものは選考ではないため、合否はありません。ただし経歴や希望条件によっては、紹介できる求人が少ないと伝えられることがあります。その場合は条件を見直すか、得意分野の異なるエージェントを併用しましょう。
Q2. まだ転職するか決めていなくても面談を受けられますか?
受けられます。実際に「良い求人があれば考えたい」という段階で相談する人も少なくありません。その旨を最初に伝えておけば、無理に応募を勧められることも少なくなります。
Q3. 面談の所要時間はどのくらいですか?
初回は60〜90分程度が一般的です。前半で経歴と希望を確認し、後半で求人の紹介や今後の進め方を話す流れが多くなります。
Q4. 職務経歴書が完成していなくても大丈夫ですか?
問題ありません。面談で聞いた内容をもとに、担当者が書き方をアドバイスしてくれるケースがほとんどです。経歴のメモがあるだけでも話が進めやすくなります。
Q5. 面談後にエージェントを断ってもいいですか?
断っても問題ありません。紹介された求人が合わない、担当者と相性が悪いと感じた場合は、メールで丁寧に伝えれば十分です。
Q6. 面談で嘘をつくとどうなりますか?
経歴や年収を偽ると、書類や源泉徴収票の提出時に食い違いが発覚し、内定取り消しにつながるおそれがあります。不利に感じる情報ほど、正直に伝えてどう補うかを担当者と相談しましょう。
Q7. エンジニア未経験でもIT系の求人を相談できますか?
相談自体は可能です。ただし紹介される求人は未経験歓迎の枠に限られるため、学習状況や作成した成果物を具体的に伝えると、紹介の幅が広がりやすくなります。
面談を「求人を引き出す時間」に変えよう
エージェント面談は、評価される場ではなく、自分に合う求人を引き出すための打ち合わせです。聞かれる6テーマは決まっているので、経歴を数字で語れるメモと、譲れない条件3つを用意しておけば準備は整います。ITエンジニアなら、言語ごとの経験年数と担当工程の一覧を加えておきましょう。まずは登録済みのエージェントに面談の日程を入れ、前日にこの記事のチェックリストを見直すところから始めてみてください。
※本記事の情報は2026年10月18日時点のものです。各サービスの面談方法や所要時間は公式サイトでご確認ください。

