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介護士の給料 都道府県別2026 東京と岩手で約130万円差・地域区分・処遇改善・上げ方など

介護士の給料 都道府県別のイメージ 職種別キャリアガイド

同じ介護福祉士の資格を持ち、同じように夜勤に入り、同じように利用者さんの食事介助をしていても、働く都道府県が違うだけで年収が約130万円も変わります。厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」をもとにした集計では、施設介護職の平均年収は東京都が438万7,000円、岩手県が308万5,500円でした。

130万円という差は、月に直すと約10.8万円です。地方で働く介護職の方が「自分の頑張りが足りないのでは」と感じる必要はまったくなく、差の大部分は介護報酬の地域区分と地域の賃金水準という仕組みから生まれています。

この記事でわかること:

  • 東京と岩手で約130万円差がつく3つの構造的な理由
  • 都道府県別の高い県・低い県の傾向(調査年度つき)
  • 2026年6月の臨時改定(改定率+2.03%・最大月1.9万円)で地方の給料はどう変わるか
  • 引っ越さずに年収を上げる方法と、都市部へ移る場合の手取り試算
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介護士の給料は都道府県でどれだけ違う?最新データで見る地域差

まずは数字から確認します。賃金構造基本統計調査は、全国の事業所から抽出したサンプルで「きまって支給する給与」と「年間賞与」を集計する国の基幹統計です。介護職員の場合、賞与込みの全国平均は月31.4万円前後とされています。

東京都と岩手県の比較(令和7年調査ベース)

区分 東京都 岩手県 差額
施設介護職の平均年収 438万7,000円 308万5,500円 約130万円
訪問介護従事者の平均年収 429万2,600円 282万700円 約147万円
地域別最低賃金(2025年度) 1,226円 1,031円 195円

訪問介護では差がさらに広がり、約147万円になります。移動時間の長さや、1件あたりの単価に地域区分が強く効くことが影響しているのでしょう。

高い県・低い県の傾向(令和4年調査の都道府県別ランキング)

全47都道府県を並べたランキングは公表年度によって順位が入れ替わるため、一つの年度だけで判断しないことが大切です。参考として、介護職員(医療・福祉施設等)の令和4年調査を整理すると、傾向ははっきり見えてきます。

順位 上位の県 平均年収 下位の県 平均年収
1 神奈川県 405万円 沖縄県 288万円
2 大阪府 402万円 宮崎県 296万円
3 岐阜県 400万円 長崎県 304万円
4 千葉県 399万円 山口県 310万円
5 愛知県 393万円 青森県 310万円

上位は首都圏・関西・中京の大都市圏、下位は東北・九州・沖縄に集中する結果でした。ただし岐阜県のように大都市圏の隣接県が上位に入る年もあり、「都会ほど高い」だけでは説明しきれない点も見逃せません。法人規模や夜勤回数、調査年のサンプルの偏りでも数字は動きます。

地方都市で介護士の給料が低くなる3つの理由

介護職の給料の原資は、9割以上が介護報酬(国が定める公定価格)です。一般企業のように「売れたら給料が上がる」構造ではないため、地域差の理由もかなり機械的に説明できます。

理由1: 介護報酬の「地域区分」で1単位の単価が変わる

介護報酬は「単位」で計算され、1単位の基本は10円です。ここに地域区分ごとの上乗せ割合がかかります。

地域区分 上乗せ割合 主な該当地域の例
1級地 20% 東京23区
2級地 16% 東京都の一部の市、横浜市など
3〜5級地 15%〜10% 大阪市・名古屋市・さいたま市など
6〜7級地 6%〜3% 地方の中核市など
その他 0% 多くの地方市町村

上乗せ割合は人件費の比率にだけかかります。訪問介護の人件費割合は70%なので、1級地の1単位は10円×(1+0.20×0.70)=11.40円です。「その他」の地域では10円のままで、同じサービスを提供しても事業所の収入が約14%違ってきます。

理由2: 地域の最低賃金と他業種の賃金水準

介護事業所は、地元のスーパーや工場とパート人材を取り合う関係です。東京都の最低賃金1,226円に対して岩手県は1,031円で、周囲の賃金相場が低い地域では、介護の給与も「地域の相場より少し上」で止まりやすくなります。

理由3: 夜勤手当・賞与・法人規模の差

地方は小規模な法人の割合が高く、賞与が年1回や寸志にとどまるケースも珍しくありません。夜勤手当も、都市部の特養で1回8,000〜1万円が多いのに対し、地方の小規模施設では4,000〜5,000円という求人も見かけます。年収の差は基本給よりも、こうした「上乗せ部分」で開いていきます。

2026年6月の臨時改定で介護士の給料はいくら上がる?

2026年6月の臨時改定で介護士の給料はいくら上がる?のイメージ
Photo by SHVETS production on Pexels

2026年度は通常の3年ごとの改定の間に、異例の臨時改定(改定率+2.03%)が行われました。処遇改善の見直しは2026年6月から施行されています。

賃上げ額の内訳

  • 介護従事者全体: 月1万円程度の賃上げ
  • 生産性向上に取り組む事業所の介護職員: 定期昇給を含めて最大月1.9万円(6.3%)
  • 内訳の目安: ベースアップ約1万円+定期昇給約2,000円+上位区分の上乗せ約7,000円
  • 先行措置として、補助金による賃上げが2025年12月分から実施済み

地方ほど「率」で効く一方、差は縮まらない

月1.9万円が年間で満額反映されると約22.8万円です。年収308万円の岩手県では約7.4%の増加になり、438万円の東京都(約5.2%)より伸び率は高くなります。ただし処遇改善加算も地域区分つきの介護報酬に連動して計算されるため、金額ベースの地域差は大きくは縮まりません。「改定を待てば地域差が解消される」と期待しすぎないことが大切です。

注意したいのは、最大額を受け取れるのはICT導入やケアプランデータ連携など「生産性向上」の要件を満たした事業所の職員に限られる点です。勤務先が上位区分を取得しているかどうかで、同じ地域内でも月数千円〜1万円近い差が出ます。

地元を離れずに介護士の年収を上げる5つの方法

介護士の給料 地元を離れずに介護士の年収を上げる5つの方法のイメージ(介護施設で車椅子を押す介護職員)
Photo by Jsme MILA on Pexels

「地方だから仕方ない」で終わらせず、同じ県内でも年収を上げる余地は十分あります。現場でよく見られる成功パターンは次の5つです。

  1. 介護福祉士を取得する: 無資格と比べて月数万円の差がつきやすく、常勤の平均月給は介護福祉士32.8万円・無資格27万円程度という調査もあります
  2. 処遇改善加算の上位区分を取っている法人へ移る: 求人票の「処遇改善手当」の金額と、面接で取得区分を確認します
  3. 特養・老健・有料老人ホームなど給与水準の高い施設形態を選ぶ: 平均月給は特養約36.2万円、グループホーム約30.2万円、通所介護約29.4万円と、施設形態だけで月6万円以上の差があります
  4. 夜勤のある職場で回数を調整する: 月4回の夜勤で年間20万〜50万円の上乗せになるケースがあります
  5. ケアマネジャーやサービス提供責任者を目指す: 役職手当と業務範囲の広がりで、5年スパンの年収カーブが変わります

県庁所在地と郡部でも差がある

同じ県内でも、県庁所在地は地域区分が上になっている場合があり、実際に求人を比べると基本給に差が出ていることも少なくありません。通勤圏内に区分の違う市町村が複数あれば、通勤時間30分の増加で年収が10万円以上変わることもあるため、求人を探す範囲を少し広げるだけで選択肢が増えます。

都市部へ移る判断基準:年収130万円差は手取りでいくら残るか

介護士の給料 都道府県別 都市部へ移る判断基準:年収130万円差は手取りでいくら残るかのイメージ
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「東京に出れば130万円増える」と単純に考えるのは危険です。額面の差と生活コストの差を並べて判断します。

単身・介護福祉士のざっくり試算

項目(年額) 東京都で勤務 岩手県で勤務
額面年収 約439万円 約309万円
手取りの目安(約78%) 約342万円 約241万円
家賃(1K・年額の目安) 約96万円(月8万円) 約54万円(月4.5万円)
家賃を引いた残り 約246万円 約187万円

家賃差を差し引いても年間約59万円が残る計算です。ただし車を持たずに済む都市部と、車が必須の地方とでは交通費の構造も違い、実家暮らしかどうかで結論は逆転します。実家から通える人は地元に残るほうが手元に残るお金は多いケースが少なくありません。

移住型転職を選ぶなら確認したい3点

  • 寮・借り上げ社宅の有無: 都市部の大手法人では家賃補助月2万〜3万円や社宅を用意している例があります
  • 引越し費用の負担: 赴任手当として10万円前後を支給する法人もあります
  • 処遇改善の配分方法: 手当として毎月払うのか、賞与にまとめるのかで、試用期間中の月収が変わります

介護に強い転職エージェントを使うと、求人票に書かれていない処遇改善加算の区分や、夜勤の実回数まで事前に確認しやすくなります。地元で探す場合も都市部へ移る場合も、2〜3社の求人を並べて年収の内訳を比べることから始めると判断がぶれません。

よくある質問

Q1. 介護士の給料が一番高い都道府県はどこですか?

調査年度によって入れ替わりますが、令和7年調査をもとにした集計では東京都の施設介護職が438万7,000円と最上位クラスです。令和4年調査では神奈川県が405万円で1位でした。いずれも首都圏が上位に来る傾向は共通しています。

Q2. 介護士の給料が一番低い都道府県はどこですか?

令和7年調査ベースの集計では岩手県が約309万円で最も低い水準とされています。令和4年調査では沖縄県(288万円)や宮崎県(296万円)が下位でした。

Q3. 2026年6月の改定で、全員が月1.9万円上がるのですか?

全員ではありません。介護従事者全体には月1万円程度、生産性向上の要件を満たす事業所の介護職員には定期昇給込みで最大月1.9万円という二段階の設計です。勤務先が上位区分を取得しているか確認しましょう。

Q4. 地域区分は自分の勤務地で確認できますか?

はい、可能です。厚生労働省が市町村ごとの地域区分の一覧を公表しており、市区町村名で検索すると1級地〜その他のどれに該当するかがわかります。

Q5. パートの介護職も処遇改善の対象になりますか?

対象になります。配分の方法は事業所が決めるため、時給への上乗せ、月額手当、賞与への反映など形はさまざまです。面接時に「処遇改善分がどの形で支給されるか」を質問しておきましょう。

Q6. 地方で介護福祉士を取ると年収はどのくらい上がりますか?

資格手当は月5,000円〜1.5万円程度が一般的で、年間6万〜18万円の増加が目安です。資格を条件に上位の処遇改善手当が配分される事業所では、さらに上乗せされる仕組みです。

地域差を知ったうえで、次の職場選びを始めよう

東京と岩手で約130万円という介護士の給料の差は、地域区分・地域の賃金水準・法人規模という仕組みから生まれています。2026年6月の臨時改定で地方の伸び率は高くなるものの、金額の差は残ると見込まれます。

だからこそ、まずは今の勤務先の処遇改善加算の区分と、通勤圏内にある特養・老健の給与水準を調べてみてください。同じ県内でも年収30万〜50万円の差は珍しくありません。求人を2〜3件並べて「基本給・処遇改善手当・夜勤手当・賞与」の4項目を比べるところから、年収アップの一歩が始まります。




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