介護の求人を探し始めると、同じ施設の求人が3つも4つもの転職サイトに並んでいて、どこから応募すればよいのか迷う方が少なくありません。しかも給与欄は「月給22万〜28万円」のように幅があり、夜勤の回数や処遇改善手当の扱いまでは読み取れないことがほとんどです。
厚生労働省の職業安定業務統計では、2026年8月時点の介護サービス職業従事者の有効求人倍率は3.89倍。求職者1人に対して約4件の求人がある「売り手市場」です。求人が多いからこそ、サイトの選び方ひとつで出会える職場の質が大きく変わります。
この記事でわかること
- 介護の転職サイトの3タイプ(求人検索型・エージェント型・スカウト型)の違い
- 主要サイトの求人数・サポート内容の比較表
- 無資格・未経験、介護福祉士、夜勤なし希望など状況別の使い分け
- 2026年6月の臨時改定(処遇改善)を求人票で確認する方法
- 登録しすぎで電話が鳴りやまない、といった失敗の避け方
介護の転職サイトは3タイプ 求人サイトとエージェントの違い
「介護 転職サイト」とひとくくりにされがちですが、仕組みは大きく3つ。自分で探して応募するのか、担当者に任せるのかで、向いている人ははっきり違うと考えられます。
| タイプ | 代表例 | 仕組み | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 求人検索型 | ジョブメドレー、カイゴジョブ、ハローワークインターネットサービス | 自分で検索して直接応募 | 希望条件が固まっている人・自分のペースで進めたい人 |
| エージェント型 | レバウェル介護(旧きらケア)、マイナビ介護職、かいご畑 | 担当者が求人紹介・面接日程調整・条件交渉を代行 | 初めての転職・職場の内部事情を知りたい人 |
| スカウト型 | ジョブメドレーのスカウト機能など | 経歴を登録すると事業所から声がかかる | 今すぐ辞める予定はないが良い条件があれば動きたい人 |
求人検索型の強みは、電話連絡がほとんどなく気楽に使える点です。一方で、求人票に書かれていない「離職率」「人間関係」「有給の取りやすさ」は自分で確かめる必要があります。エージェント型はその逆で、担当者が施設に出入りしているぶん内部情報を持っている反面、連絡の頻度が多めです。
エージェント型サービスごとの詳しい特徴は、介護の転職エージェントおすすめ2026でまとめています。ここでは、サイト全体を横並びにして「どれを、何社、どう組み合わせるか」に絞って整理します。
主要な介護転職サイト比較 求人数とサポート内容

求人数は各社の公表値をもとにした目安です。掲載件数は日々入れ替わるため、登録前に公式サイトで最新値を確認してください。
| サイト名 | タイプ | 公開求人数の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| レバウェル介護(旧きらケア) | エージェント型 | 約15万件以上 | 求人数が業界最大級。職場の雰囲気や残業実態など内部情報の提供に強み |
| ジョブメドレー | 求人検索型+スカウト | 介護職・ヘルパーで約8万件以上 | 写真付き求人が多く、職場の様子をイメージしやすい。直接応募が中心 |
| カイゴジョブ/カイゴジョブエージェント | 検索型+エージェント型 | エージェント側で約1.8万件以上 | 同じ運営元で「自分で探す」と「任せる」を切り替えられる |
| マイナビ介護職 | エージェント型 | 非公開求人あり | 大手人材会社の運営で、面接対策や書類添削が手厚い |
| かいご畑 | エージェント型 | 派遣・正社員とも扱う | 働きながら介護職員初任者研修などの資格取得を目指せる制度を用意 |
| ハローワーク | 公的機関 | 地域の小規模事業所が多い | 民間サイトに出ていない地元の求人に出会える。職業訓練の相談も可能 |
求人数より「地元の件数」を見る
全国の総数が多くても、通勤圏内の件数が少なければ意味がありません。登録前に、各サイトの検索画面で「自宅の市区町村+通勤30分圏」の件数をメモして比べるのが確実です。実際に比べてみると、都市部ではエージェント型、地方ではハローワークやジョブメドレーのほうが件数が多いといった逆転がよく起こります。
無料で使える理由
エージェント型は、採用が決まった時点で事業所側が紹介手数料を支払う仕組みのため、求職者の利用は無料です。求人検索型は事業所の掲載料で運営されています。どちらも求職者に費用はかかりません。
状況別のおすすめの選び方 未経験・資格あり・夜勤なし

無資格・未経験から介護職を目指す場合
未経験者は、資格取得支援があるエージェント型を1社入れておくと安心です。介護職員初任者研修は通常6万〜10万円前後の受講料がかかりますが、就業を条件に費用を負担する制度を持つサービスや事業所もあります。求人票では「資格取得支援制度あり」「研修費用全額負担」の表記を探しましょう。
介護福祉士・実務者研修修了者の場合
有資格者は条件交渉の余地が大きいため、エージェント型で年収交渉を任せるのが効率的です。介護福祉士は資格手当が月5,000〜1万5,000円程度つくことが多く、施設によって差が出ます。都道府県による給与差も無視できないので、介護士の給料 都道府県別2026も参考にしてください。
夜勤なし・日勤のみを希望する場合
デイサービスや訪問介護は日勤中心の求人が多く、求人検索型の絞り込み機能(「夜勤なし」「日勤のみ」)が役立ちます。ただし夜勤手当(1回5,000〜8,000円程度)がなくなるぶん、月収は下がりやすい点に注意が必要です。
子育て中・扶養内パートの場合
「週3日〜」「9時〜15時」など勤務時間の条件が細かい人は、検索型で自分の希望に合う求人を直接探すほうが早いケースもあります。シフトの融通は面接時に具体的な曜日で確認しておくと、入職後のすれ違いを防げるでしょう。
2026年の介護転職市場 処遇改善と求人票の見方

2026年6月から介護報酬の臨時改定が施行され、介護職員は最大で月1.9万円(定期昇給込み)の賃上げが目指されています。処遇改善の対象はケアマネジャーや訪問看護などにも広がりました。
ただし、加算をどのくらい取得しているか、どう配分するかは事業所ごとに異なるのが実情です。同じ「月給24万円」でも、処遇改善手当が別途支給されるのか、基本給に含まれているのかで年収が数十万円変わることがあります。
求人票で確認したい5項目
- 処遇改善加算の区分(加算Ⅰ・Ⅱなど上位区分を取っているか)
- 手当の内訳(処遇改善手当・資格手当・夜勤手当が別記載か)
- 賞与の実績(「年2回」だけでなく「昨年度実績◯か月分」)
- 夜勤の回数と体制(月4〜5回・2名体制など)
- 年間休日(105日と120日では働き方がかなり変わります)
エージェント型を使う場合は、この5項目を担当者に聞くだけで、求人票の裏側がかなり見えてくるはずです。
介護転職サイトの使い方のコツと失敗談
登録は2〜3社が目安
5社以上に登録すると、同じ求人を複数の担当者から紹介されたり、電話対応に追われたりしがちです。おすすめの組み合わせは「エージェント型1〜2社+求人検索型1社」。エージェントで内部情報を集め、検索型で相場感を確かめる使い分けが効率的です。
同じ求人に二重応募しない
複数のサイトから同じ施設に応募すると、事業所側の管理が混乱し、印象を損ねることがあります。応募した施設名と経由サイトは、スマホのメモに一覧で残しておきましょう。
よくある失敗:職場見学をせずに決めてしまう
「人手不足だからすぐ来てほしい」と言われ、見学なしで入職したところ、入浴介助の人数が求人票より少なかった――という話は珍しくありません。見学では、職員同士の声かけの雰囲気、利用者への言葉づかい、夕方の申し送りの様子などを見ておくと、職場の実態がつかみやすくなるでしょう。
書類準備も同時に進める
介護職の応募では、施設形態・利用者数・夜勤回数などを書いた職務経歴書が評価を左右します。パート経験から応募する場合はアルバイト・パートの職務経歴書の書き方も役立つはずです。
介護の転職サイトに関するよくある質問
Q. 介護の転職サイトは本当に無料ですか?
はい、求職者側の費用はかかりません。エージェント型は採用が決まった事業所から手数料を受け取り、求人検索型は掲載料で運営されています。
Q. 在職中でも登録して大丈夫ですか?
問題ありません。むしろ在職中に情報収集を始め、条件の良い求人が見つかってから退職を伝えるほうが、収入の空白期間をつくらずに済みます。
Q. 求人数が多いサイトほど良いのですか?
一概には言えません。全国の総数より、通勤圏内で希望条件に合う件数のほうが重要です。登録前に地域で絞り込んだ件数を比べましょう。
Q. エージェントの電話が多くて困ったときは?
「連絡はメールかLINEで、平日の夜のみ」と最初に伝えておくと、多くの場合対応してもらえます。合わないと感じたら担当者の変更を依頼することも可能です。
Q. 無資格でも正社員の求人はありますか?
あります。特に特別養護老人ホームや有料老人ホームでは、入職後に資格取得を支援する前提で無資格者を採用する例が多く見られます。
Q. 退職を伝えるタイミングはいつがよいですか?
就業規則で定められた期間(多くは1〜2か月前)を確認し、内定が出てから伝えるのが基本です。夜勤シフトの組み直しが必要な職場では、早めの相談が円満退職につながります。
自分に合う介護の職場と出会うために
介護の転職サイトは、タイプの違いを知ったうえで2〜3社を組み合わせるだけで、情報の量と質が大きく変わります。まずは通勤圏の求人件数を比べ、処遇改善手当や夜勤体制など5つのポイントを確認しながら候補を絞り込んでみてください。気になる施設が見つかったら、職場見学の予約から一歩を踏み出しましょう。

